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“夜の繁華街”で伝統工芸!? ~注目の仏壇ツアーに出かけよう~

2011/07/16

 

夜の繁華街…昼の顔は伝統工芸発祥の地!

 

広島が誇る伝統的工芸品「広島仏壇」の発祥の地は、広島市中心部にある繁華街のど真ん中。
数多くの飲食店が集中する街の一角に突如出現する「仏だん通り」には、今でも広島仏壇のお店がずらりと軒を連ね、伝統技術が今でも脈々と受け継がれています。
今回は「広島仏だん通り活性化委員会」の方々を先生にお迎えし、「仏だん通り」に店を構える7つの仏壇屋さんを巡った後、広島仏壇の歴史について学びました。

【前半~仏壇屋さん巡り~】
最初に向かった『三村松』さんでは、金箔押し体験をしました。職人さんに指導してもらいながら、黄金鉛筆を作ります。漆を塗った鉛筆に金箔を乗せて貼り付けていく作業なのですが、薄くて繊細な金箔は少しの力で端が欠けてしまったり、手にくっついてしまったり。上手く鉛筆に金箔を乗せることができても、均等な力で貼り付けなければ亀裂が入り…とこれが本当に難しい!!
職人さん曰く、繊細な作業が要求される金箔押しでは風が天敵だそうで、暑い夏でも寒い冬でも、作業中はエアコン等を一切使用しないそうです。そんな過酷な環境の中でも心を静め、正座して作業を行う。これぞ職人の世界…頭が下がります。

次に『三村実本店』さんで、世界に1つしかないユニークな仏壇の数々を見学しました。最近の住宅事情では小さい仏壇が好まれる傾向にあるらしく、デザインも形もかなりユニーク! アジアンモダンな絵が描かれていたり、壁掛けタイプのものがあったりと、まるでインテリアの一部のよう。仏壇も時代の変化に合わせて進化しているんですね。
続いて向かった『高山清』さんではオリジナル匂い袋を作りました。5つの香料を好みに合わせて調合します。昔の人は匂い袋を鞄に入れたり着物の帯につけたりして、今でいう香水の代わりに使っていたんだそうですよ。

さあ、仏壇屋さん巡りはまだまだ続きます!

次に向かったのは仏だん通りで唯一、今でも職人さんが漆塗り・金箔押しの作業をしている『横田安楽堂』さん。今回は特別に作業場を見学しました! まずは漆塗り職人の方の作業を見学しお話を伺いました。その中で印象的だったのは、漆を塗る道具(ハケ)の話。人毛で作られたハケを使用するのですが、そのハケを作れる職人がもういないのだそうです。職人の技が光る伝統工芸品を作るための道具もまた、職人の技によって作られている。昔ながらの工芸品を後世に伝えていくことがいかに難しいか、改めて実感しました。そのお隣では、金箔押し職人の方が作業を行っていました。金箔押しを体験した後だったので、その手際のよさとスピードの違いにただただ驚くばかり。学生のみなさんもその匠の技に引き込まれていました。

続いて“数珠”にまつわる体験&見学へ。まず『京屋仏壇店』さんでは数珠のストラップ作りを体験しました。仏具についてのお話もしていただき、宗派によって形が違うことなどを教えていただきました。そして『高山定雄仏壇店』さんで実際に宗派ごとの数珠を見せていただきました。本当にたくさんの種類の数珠があってびっくり! ただ宗派は違っても正式な数珠すべてに共通するのが“108”という玉の数。54個、27個…と、必ず108を割った数になっているそうです。

最後に向かったのが『西原仏閣堂』さん。ここではさまざまな“おりん”を見せていただきました。手を合わせる前に鳴らす“おりん”ですが、なんと本来の用途は楽器! お経を読み始める前に音程を決めるために鳴らしていたそうです。ちなみに、おりんの「おわんおわんおわん」と音が揺れる独特な音色には癒し効果があるらしく、風鈴タイプや卓上用など、癒しグッズとしても需要があるそうです。

短時間でこれだけ様々な体験・見学ができるのも、一つの通りにたくさんの仏壇屋さんが集まっているからこそ。仏だん通りは旧西国街道として、昔は仏壇屋さんに加え、家具屋さんや宿屋さんも多く立地していました。当時のにぎわいは、形を変えて、今も街に息づいています。


【後半~座学~】
三村庄一商店の三村保博さんに、広島仏壇の歴史についてお話いただきました。広島仏壇の始まりは、江戸時代にまでさかのぼります。当時の江戸幕府がキリスト教信仰を禁止したため、仏教徒はそれを証明する必要があったことから、家の中でお寺の祭壇を模したものに仏像や位牌を祀りはじめたのだそうです。また、当時大きくて重たい仏壇は、主に船で運ばれていたのですが、仏だん通りのすぐそばには京橋川が流れ、瀬戸内海と繋がっていたため運搬しやすかったことから全国へ広まったといいます。

お話の中で意外だったのは、「仏壇づくりの技術は世界最先端の技術を支えている」ということ。広島仏壇は塗りや彫刻、金属加工など7つの伝統技術が駆使されているのですが、これらの技術の一部は世界を飛び交う旅客機のジェットエンジン部品などにも応用されているのです。知らなかった! しかし、最近はIT技術の進化に伴い、3Dスキャナー/プリンターを使えば、職人の技を一瞬で再現できるようになりました。職人の仕事の一部をコンピューターが取って代わるようになるこれからの時代では、技術力だけではなく、「デザイン力」を持った職人が必要とされている、と三村先生は語ります。そして、7つそれぞれの技術を別の工芸品を作るために使う新たな取り組みも行っているそうで、広島仏壇の技術は、時代の変化に柔軟に対応しながら進化を続けているようです。

時代の変化と共に進化を続ける「広島仏壇」と、その発祥地「仏だん通り」。今回はその仏だん通りを盛り上げようと活動されている「広島仏だん通り活性化委員会」の方々の多大なご協力のもと、濃密で楽しい時間を過ごすことができました。ライバル同士でありながら、お互いに協力し合って盛り上げているみなさんの姿に、「仏だん通り」の持つ“勢い”を感じることができました。

夜の繁華街のお昼の顔は、伝統工芸発祥の地! 2つの顔を合わせ持ち、新たな文化を発信し続けている「仏だん通り」、これからも目が離せません。

(ボランティアスタッフ 黒川めぐみ)

 

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<授業詳細>

2013年07月16日(火) 09時30分 ~ 12時30分   

教室:仏だん通り&REX MB(レックスメインビルディング)

 

夏到来!ビールの美味しい季節ですね。
夜の街に繰り出す機会も増えているのではないでしょうか。
広島市の中心部『仏だん通り』といえば“夜の繁華街”。
『流川通り』や『薬研堀通り』と並び、
数多くの飲食店が軒を連ねる、広島有数のナイトスポットです。

そんなネオンの下で、江戸時代から現在まで
素晴らしい『匠の技』が受け継がれていることを知っていましたか?

実は『仏だん通り』はその名の通り、
経済産業省が指定する伝統的工芸品『広島仏壇』の産地だったのです。

近年は、神社仏閣ブームなどと騒がれていますが
仏壇の素晴らしさに気づいていない方はまだまだ多いはず。

今一度、そのデザインを思い出してみてください。

豪華絢爛、金キラでピカピカ。
隅々にまで彩られた彫刻や蒔絵。燭台や花瓶。
よくよく見ると、ため息の出るような技の数々が詰まっているんです。

そこで今回は、「広島仏だん通り活性化委員会」の方々を
先生にお迎えして授業を実施します。

当日は「見学体験ツアー」と「座談会」の2部構成。
世界に1品しかないという仏壇や、日本画とのコラボ仏壇の見学、
匂い袋づくりや純金箔押し体験、念珠トリビア!?まで…

職人技や歴史について触れられるだけでなく、
広島仏壇にまつわることを、たくさん盛り込みました。

広島が世界に誇るアート『広島仏壇』の知られざる魅力を
お昼の繁華街で学びましょう!


【授業の流れ】
09:00 受付開始
09:30 授業開始
<第1部>見学&体験ツアー
<第2部>三村先生と座談会
12:20 記念撮影・アンケート記入
12:30 授業終了


※実費700円がかかります。
【内訳/純金箔張り300円、匂い袋づくり300円、傷害保険代等(リクリエーション保険)100円】


【集合場所】
「REX MB (レックスメインビルディング)」の1階
広島市中区堀川町1-14
仏壇通り「ファミリーマート広島流川店」の真正面のビル

【持ち物】
実費700円がかかります。
【内訳/純金箔張り300円、匂い袋づくり300円、傷害保険代等(レクリエーション保険)100円】

【入場】
集合場所へは、授業開始時間までに必ず集合して下さい。
なお、10分を超えて遅刻された場合は受付終了となり、授業へ参加することが出来ませんのでご注意下さい。

【交通手段】
お車、自転車でお越しの際は、近隣のパーキングをご利用下さい。

(授業コーディネーター 沖田菜津子)
 

 

 <先生>

広島仏だん通り活性化委員会の皆さん / 仏だん通り代表

広島市中区にある繁華街、流川・薬研堀・仏だん通り地区の町内会・有志が集まって発足。誰もが安心して訪れ楽しめる街づくりをテーマに、さまざまな活動を行っている。街の賑わいや地元の繋がりを創出するために、最近では、「とうかさん」などの祭りの際に観光案内所を設置し、周辺店舗マップの作成・配布をするなど積極的な取組みを実施。今後の動向にメディアからも注目が集まっている。 【写真は左から:(株)三村庄一商店の三村保博さん、(株)西原仏閣堂の西原幸二さん、(株)久保田本店の久保田育造さん】 ※ご協力いただく店舗(順不同):三村庄一商店、三村実本店、三村松、高山清、横田安楽堂、京屋仏壇店、高山定雄仏壇店、西原仏閣堂

 

<教室>

仏だん通り&REX MB(レックスメインビルディング)

住所:広島市中区堀川町1-14 REX MB(レックスメインビルディング) 1F
広島電鉄【胡町】電停下車 徒歩3分
(仏だん通り「ファミリーマート広島流川店」の真正面のビル)
 

【仏だん通り】
全長約400m。旧西国街道上に位置し、交通・産業面での要衝として栄えていた。仏壇・仏具店が軒を連ね、老舗の喫茶店から新しいショップまで立ち並ぶ個性豊かなストリート。昼と夜、それぞれの顔を持ち、新たな文化を発信している。

【REX MB(レックスメインビルディング)】
飲食店ビルの中に貸ホールがあり、今回はこのホールで座談会を開催します。

 

 

 

カテゴリ:【まち歩き】
言 語 : 日本語のみ
定 員 :15人

参加対象:どなたでも

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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