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​お知らせ

旧日銀EXsite#1 『被爆100年後の中央公園を歩こう』

被爆建物内で考える広島の未来

袋町電停のすぐ目の前にある、旧日本銀行内にて催された 『被爆100年。広島市中央公園アイディアコンペ作品展示会』。 その市民参加型コンペに応募された72のアイディアを見て、 僕は参加した学生さんたちに混ざって真剣に語り合いました。 当初の予定では、テーマは『中央公園を歩こう』だったのですが、 前日の大雨のため、急遽『中央公園を語ろう』となり、旧日銀にて それぞれの意見を発表する場をゴールとする授業になりました。 その分、参加していた年代の違う学生さんの意見、 深い考察をたくさん聞けて、とても有意義な時間でした。 *** ひろしまジン大学の幟が設置されている旧日銀の正面玄関を入ると、 戦前にタイムスリップしたような感覚。 行内は広いホールに、コンコースの床。 ホールの中央を区切る、郵便局で見るような窓口。 レトロで重みのあるデザイン。 声や音は行内全体に響いて何とも趣を感じる。 当時の原爆を知る、数少ない建物の一つです。 そんな歴史を感じる建物の中で、今回の授業は始まりました。 最初に、今回のコンペティションを主催された日本建築家協会 中国支部副支部長の前岡友之さんから、 今回の市民コンペの経緯、審査方法、そして企画に対する想いについてお話しをしていただきました。 世界で初めての被爆都市。 そしてその後の復興。世界にメッセージを持つ街。 そういった使命を持った街の街づくりを誰がどう決めるのか? このコンペは広島からだけでなく、日本全国、世界中からアイディアを募り、 そのアイディアの中から広島市民が決定するという市民参加型のコンペティションにして、 たくさんの人々の意見を聞き入れ、さらなる広島の発展につなげたいということ。 そこには、私たちが目をつむっている間に、誰かがいつの間にか 作り上げてしまう街ではなく、私たち市民ひとりひとりが関われる 街づくりが必要だという想いがありました。 そんな前岡さんの想いを聞いた後で早速、今回の応募作品をみてまわる時間に。 主催者の話を聞いた後なので、応募作品の見方もいっそう真剣になります。 旧日本銀行内の大ホールに展示されている72の応募作品全てを、 学生15人を1チーム3人に分けて、5チーム作り見てまわります。 これから応募作品を見る僕たちは課題をうけました。 それは「72の作品から、自分たちがよかったアイディアを3つ選ぶ」というもの。 そして1時間閲覧した後に選んだ3つのアイディアを他のチームにプレゼン発表するというものでした。 それを聞いた学生達の目に、キラリと赤い炎が灯ったのは、言うまでもありません。 作品には、到底思いつかないアイディアがたくさんあり、わくわくしました。 「広島市街地の主要施設をつなげる立体的な遊歩道」や、 「原爆祈念碑の後ろにピースリングという大きなモニュメントをつくる」など、 都市としての機能性、被爆都市としての象徴性を重視する街づくり。 「中央公園を全面、畑や田んぼにして、そこで採れた作物を、 敷地内のレストランで調理して料理としてサービスする」 など、様々な観点から広島の未来を考えていました。 そして1時間の閲覧の後、授業コーディネーターに連れられて 旧日本銀行内の3階にある小会議室へ移動。 途中の旧日銀の行内が見てまわれるのも今回の授業の見所の一つでした。 小会議室に入ると、ホワイトボード。その前に並ぶ、パイプ椅子。 学生達はチームごとに席につくと、コーディネーターからさらなる課題が。 それぞれ選んだ3つの作品から それらに共通する「想い」「キーワード」を見つけ出して一緒に発表してください。 各チーム、考え抜いて、キーワードを見つけ出し、順番に発表。 どのチームも独自の観点から、選び出した作品を紹介。 意外にもかぶった作品はあまりなく、それぞれの面白いと思ったポイント、 広島にとって大事だと思うこと、そして共通する「想い」や「キーワード」を発表しました。 それらがこちら。 「つながり」 「主体性」 「実現できる場」 「平和のあり方」 「やすらぎ」 「欠けているもの」 「ソフトウェアの活用、利用」 「丹下健三の肯定と否定」 なんだか『平和都市ヒロシマの未来』という本の目次のようですね。 つまり、本1冊読み終えた時のさっぱりした読後感を授業の終わりに感じることができました。 そしてなにより、他の学生さん達の意見が聞けた事に、とても意義を感じました。 世代の違う人の考えを聞ける機会って、なかなかないものですから。 過去の広島、今の広島、今後の広島について考えた、広島づくしの授業でした。 (ボランティアスタッフ 大谷和也)

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2011年10月15日(土) 13時00分 ~ 16時30分 教室:旧日本銀行広島支店

被爆から100年後、2045年の広島。 そこにはどのような街が、どのような想いで広がっているのでしょうか。 今年9月、34年先にあたる被爆100年後の広島の姿を考えるべく、 未来の広島市中央公園に焦点をあてた 市民参加型のアイデアコンペティションが開催されました。 市民が自ら提案し、市民の投票により入賞作品が決まる市民参加型のコンペです。 そこには1949年に制定された広島平和記念都市建設法に謳われている都市づくりの理念を市民とともに再確認するという目的が掲げられていました。 今回、このコンペに寄せられた全72点の作品を閲覧することができる 『被爆100年。広島市中央公園アイデアコンペ作品展示会』が 旧日本銀行広島支店で開催されます。 なかには、現在の川のなかに新たな島を誕生させるアイデアや、 ピースリングと称した世界最大級の観覧車を設置するアイデア、 未来の人々に向けた大きな伝言板を開設するアイデアなど、 応募されたそれぞれの方の「想い」をもとにした斬新なプランが数多くあります。 今回の授業では、同コンペの実行委員会の方に企画に関する想いをお聞きするとともに、 実際にこの展示を見学しながら、未来の広島を想像しましょう。 後半は中央公園エリアを散歩しながら、のんびりワークショップ。 青空の下で学生同士コミュニケーションを楽しみます。 未来は、思い、考えるところから始まります。 みなさんも2045年の広島を一緒に歩いてみませんか? 【授業の流れ】 12:30  受付開始(旧日本銀行広島支店) 13:00  授業説明~コンペの概要説明(広島アイデアコンペ実行委員会) 13:30 展示見学 14:30 中央公園に向けて出発 散歩 16:00 中央公園内集合 感想共有 16:30 解散 協力 NPO法人アートプラットフォームG

<先生>

街のみなさん / ・_・

ひろしまジン大学の先生は、広島に関わる人たち一人一人。 みなさんが思い、暮らす「広島」を教えてください!

<教室>

旧日本銀行広島支店

住所:広島市中区袋町5番21号 ■広島電鉄(路面電車): 広島電鉄宇品線・「袋町」駅下車、徒歩1分 ■広電バス: JR広島駅より3号線・広島西飛行場行き、「袋町」バス停下車、徒歩1分

1936年(昭和11年)に建てられた日本銀行のかつての営業所。 設計は、建築家・長野宇平治。地上3階地下1階、ギリシャ・ローマ建築風の古典様式で、昭和の空気をそのまま残しています。現在は「建物全体を市民主体の芸術・文化活動発表の場として活用する」という方策のもと、広く市民に貸し出し、様々な用途で使われています。現存する被爆建物の一つであり、広島市指定重要文化財。 2012年10月からの6ヶ月間、HIROSHIMA EXsiteのプラットフォームとして各種イベントが開催されています。

カテゴリ:【建築/街歩き】 言 語 : 日本語のみ 定 員 :25人

参加対象:どなたでも。

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