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​お知らせ

草津でがんす!~まち歩き&蒲鉾づくり~

草津の町は「うまいでがんす!」

広島在住者なら、西区にある草津という地名を耳にしたり、市内電車で通過したことはあるでしょう。ですが、頻繁に足を運んだり、市電の駅以外に詳しく知る方は一握りなのではないでしょうか。 このたび、浅野三次藩の港として古くから発展し、安土桃山時代からの大きな神社仏閣が残る草津の町を歩いて歴史を探り、名物の「がんす」のお店を訪ねる授業が行われました。町歩きのガイドは、歴史や文化を継承している「草津まちづくりの会」の縄岡忠則さんです。 草津にある多くの民家の倉に施されている「鏝絵(こてえ)」の説明から町歩き開始。これは江戸末期から昭和初期にかけて、左官屋が施主に対しお礼と家の幸せを願い、白壁をキャンパスに見立てて描いたものです。草津付近では唐獅子やうさぎ、竜や牛、亀などの柄が多く見受けられます。普段目を向けない高い場所にあるため、自分の家にも鏝絵があることを知らない方も多いそうです。「鏝絵」につづき、お寺や厳島神社のお神酒を作っている小泉本店などを縄岡さんのガイドを聞きながら草津の町を散策します。  【慈光寺】日蓮宗で、同じ敷地内に鳥居と狛犬が存在する神仏習合の形式です。狛犬2匹は、向かって右側の口を開けた「阿形(あぎょう)」は雄で、物事の始まりや生を見守ります。左側の口を閉じた「吽形(うんぎょう)」は雌で、物事の終わりや死を見守っています。  【鷺森神社】一般的な拝殿よりも大きく壁がないのが特徴で、芝居の舞台に使われていたとのこと。屋根に施された彫刻などの装飾は、多くの神社仏閣では獏ですが、ここでは左右で阿吽の形をした麒麟が施されています。  【幸神社】胴回り3.8m、樹齢400年以上と言われる大銀杏の木は圧巻で、根元は約90m先の広電草津駅まで伸びています。  【小泉本店】江戸時代終盤に創業の酒造蔵。床にはレンガが敷き詰められており、大八車のレールとして用いられていました。現在は季節ごとの特色を生かした酒を製造・販売しています。格式ある方が通られる御成門(おなりもん)が設置されており、明治天皇も通られたそうです。  【浄教寺】東西20mずつ伸びた臥龍松に、一同息を飲みました。全国でも1,2を争う長さですが、やはり年間維持費は相当なようです。 草津の興味深い町並みに心を奪われつつ、後ろ髪を引かれるようにここで町歩き終了。お次の「坂井屋」さんの見学と蒲鉾作り体験を前に、縄岡さん宅で休憩がてら、草津にある4つのお店の「がんす」の食べ比べを行いました。もともとは駄菓子屋で売られていた子供のおやつだった、がんす。各店の特徴は以下の通りです(筆者意見込み)。参加者にはこれから見学する③が好評でした。 ①「亀康」…玉ねぎの甘みが特徴。後から辛さがじわじわ。 ②「小林蒲鉾店」…辛みは少な目。若干皮が厚く豚カツのよう。 ③「坂井屋」…噛み応えありちょうどいい辛み。 ④「堀水産」…歯応えと若干の辛みあり。 いよいよ「坂井屋」さんの見学と蒲鉾作り体験です。明治後期創業の蒲鉾屋で、四代目社長の高崎明彦さんのお出迎えで店内に入ると、従業員の皆さんが絶え間なく商品の製造を行っていました。店内や蒲鉾についての説明を経て、蒲鉾作り体験開始。縄岡さん宅で坂井屋さんが取り上げられたTV番組のDVDを見て、イメージトレーニングはバッチリ…のはずが、いざ材料の魚のすり身をならし、板に丸く乗せるまで四苦八苦。ようやく形ができて、ピンクや緑の食紅でデコレーションされた蒲鉾の蒸し上がりを待つ間、がんすの衣付けや、きくらげ天の形成と揚げの体験と試食もさせて頂き、従業員の皆さんが作り出す熟練の技を堪能しました。 更に蒲鉾が蒸し上がるまで、追加の草津町歩きへ。縄岡さんに更に詳しく草津の歴史について説明して頂いた上、玉ねぎの甘みが特徴的ながんすが売りの、「亀康」さんにもお邪魔しこちらでもがんすを試食させて頂きました。坂井屋さんへ戻り、蒸し上がった蒲鉾とついにご対面!参加者一同、初めて自分で作った蒲鉾の完成形に興奮を隠しきれませんでした。 歴史ある町並みと、漁港として栄えた名残りの蒲鉾屋さんを巡り、閑静な中に奥深い歴史を感じた町歩きでした。今回の授業はショートバージョンだったので、機会があれば皆さんもじっくりと草津の町を巡り、それぞれのお店のがんすや天ぷらを食べ比べて見てはいかがでしょうか。 ■レポート/伊澤志保子 ■写真/八津川陽介

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2016年01月16日(土) 09時20分 ~ 13時00分

教室:有限会社 坂井屋

千年以上の歴史をもつ町、草津。 広島市西区に位置する草津は、まちの中を西国街道が通り、 江戸時代には間宿として栄えました。 また港町としても栄えた草津は、昔から「蒲鉾」づくりの盛んな地域でした。 そのため古くから多くの蒲鉾店が操業しています。 今回はその中でも、100年以上の歴史をもつ、坂井屋さんにおじゃまして、 蒲鉾や草津名物「がんす」ができるまでを見学します。 新鮮な魚を仕入れるところから蒲鉾の成型まで、 ひとつひとつ人の手で作るというこだわりや、 草津の町とともに歩んできたお店の歴史などをじっくり伺います。 工場見学の前には、草津の歴史を学ぶべく、町あるき。 歴史や文化を継承している『草津まちづくりの会』の縄岡さんを先生に迎え、 路地や町家など江戸時代からの佇まいを残す町並みを、一緒に散策します。 これであなたも草津ファン! 広島市西区草津の魅力に触れてみませんか? 【授業の流れ】 09:20 広電 草津駅へ集合 09:30 授業開始 ミニまち歩き 11:00 工場見学 坂井屋さん 11:30 板蒲鉾作り体験 13:00 授業終了 【集合場所】 広電 草津駅 【持ち物】 ・歩きやすい格好でお越しください。 ・筆記用具 ・実費700円(蒲鉾作り体験料、保険料含む) 【入場】 集合場所へは、集合時間までに必ず集合して下さい。 なお、10分を超えて遅刻された場合は受付終了となり、授業へ参加することが出来ませんのでご注意下さい。 【交通手段】 お車、自転車でお越しの際は、近隣のパーキングをご利用下さい。 【当日連絡先】 070-5522-9638(ひろしまジン大学事務局) ※緊急のご連絡の場合のみ、おかけ頂きますようお願いいたします。 (授業コーディネーター 大田一朗) ===================================================== ※当授業は無料の学生登録をすることで、どなたでも受講できます。 ご希望の方はお申込画面へお進みください。 =====================================================

<先生>

髙崎 明彦 / 四代目 ㈲坂井屋 社長

明治後期に草津で創業した老舗の蒲鉾屋、㈲坂井屋の四代目。 「もみじ天」をはじめ、伝統の技を今も受け継いだ職人たちによって、こだわった「手作りの蒲鉾」を作り続けている。「先ず自分が納得したものを、お客さんに提供していきたい」と日々精進中。広島生まれ。

縄岡 忠則 / 草津まちづくりの会

2003年にMAZDAを定年退職。その後、平成15年に、「住んで良かったわがまち草津」「ぶらりきんさい草津まち」をキャッチフレーズとする『草津まちづくりの会』へ入会。現在、草津まちの定例ガイドやイベントをサポートしつつ、『IT博物館倶楽部』、『郷土史研究倶楽部』など精力的に活動中。現在69歳。広島県在住。

<教室>

有限会社 坂井屋

住所:広島県広島市西区草津本町6−3

明治後期に草津で創業した老舗。100年以上、「手造り」にこだわっています。広島がんすの他、細工かまぼこで使う紅葉の形を使って「もみじ天」を考案。もみじ天をきっかけにカキや瀬戸内海の魚介類など広島の食材を使った様々な商品を企画しています。

カテゴリ:【社会】 言 語 : 日本語のみ 定 員 :10人

参加対象:どなたでも

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