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広島のモノづくり・デザイン発信力

2016/03/03

 

『made in HIROSHIMA』


今回の授業で、ラジオ番組「勝手にトークひろしま」でお世話になった3社が再会。広島でのモノづくりについて熱く語っていただきました。

冒頭は、「信念」というテーマではじまりました。3社とも長い歴史があり、それぞれのブランドイメージも強い。そんな企業の信念・理念とはどんなものでしょうか。

広島を代表する企業の一つ、マツダ株式会社。デザイン本部・チーフデザイナーの田畑高司さんは、「信念=ブランディング」として捉えられていたと思います。ブランディングというと、現代では当たり前に使われるデザイン手法ですが、大企業となると、この概念の形成にはたいへんな労力が必要だったのではと想像します。また田畑さんから伺ったエピソードで印象的だったのが、MAZDAのブランディングを社外の人から聞いたとき「社員の誰に聞いても、同じ言葉(概念)で話されている」というお話。長い企業活動の中でMAZDAの信念やブランドといったものが、いかに広く社員に浸透しているか、ということを感じることができました。

湯来町を拠点に活動する、株式会社マルニ木工。木材港や宮島彫りなど木材にゆかりのある廿日市市北部に位置しています。ブランド戦略等に携わっている企画部部長の土井康義さんは、「工芸の工業化」というキーワードを起点に、老舗家具メーカーである自社の、「世界の定番を作ろう」という信念を語られました。マルニ木工はそれまで手工芸だった家具をいち早く工業化し、機械によっていかに美しく作るかという発想と技術で業界をリードしてきた企業ですが、工芸の美しさをも兼ね備えたものづくりは、曲線を生かした現在の「MARUNI」のフォルムデザインに通じるものがあります。

ものづくりの街としても認知度の高い府中町が拠点の、株式会社スピングルカンパニー。副本部長・鎌倉節子さんの代理として登壇された、企画部MDの山口聡さんは、「スピングル・ムーブ」ブランドの創設当初から関わっているメンバーの一人。定番商品だった体育館シューズからヒントを得て、ソールがそり上がったバルカナイズ製法の個性的なデザインシューズを開発。自社の強みに「流行に左右されない定番商品」がある、と捉えなおしたことは企業の強い信念を感じます。


そんな3社の動向として私が注目したのは、世界へ向けた発信をしているところです。マルニ木工は「ミラノサローネ」への出展、スピングルカンパニーはミラノコレクションへの進出や海外ブランドとのコラボシューズの発表、MAZDAもブランディングの強化とヨーロッパを意識したデザインを展開。なぜ今、世界なのでしょうか?その背景には3社に共通して出てきたキーワード、「バブル崩壊後」が大きく関連しているようです。

経済危機の時代がそれぞれの企業にとって試練であったと同時に、自社のものづくりへの考え方を改めて考え直すキッカケになっていたようです。輸入製品に圧され、経営戦略を転換せざるを得ない状況が、この時代にはあったと思います。危機的な状況のなかでも、今までの活動を見直し、強みを再発見し、議論を重ね、行動することで活路を見出してきました。

また社外のデザイナーとのコラボや、ターゲットの絞り込み、伝統の技術を転換するなど、今までになかったこれらの手法は、「世界を意識した」高く広い戦略というよりも「地元を意識した」低く狭い戦略に見えます。協働を促進し、地に足をつけて自社と向き合っていく。時代を生き抜いてきた3社からは、『made in HIROSHIMA』という、新しい時代のデザイン理念を伺うことができました。


■レポート/大田 一朗
■写真/角田 茜

 

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<授業詳細>
 

2016年03月03日(木) 18時30分 ~ 20時00分   

教室:オリエンタルホテル広島

 

 

『MAZDA』×『スピングルムーヴ』×『マルニ木工』
メイド・イン・ヒロシマの3社による
モノづくりの原点、デザインについて語るトーク授業を開催。

『魂動デザイン』という独自のデザイン哲学を掲げ、美しいカタチを追求し続ける『マツダ』
日本人のためのハンドメイドスニーカーを生み出す『スピングルムーヴ』
グローバルな定番デザインを日本から発信し続ける『マルニ木工』

広島を拠点に、世界に向けてモノづくりを発信している3社のキーパーソンが集まり、ディスカッション形式で熱い想いを語り合います。

進行はひろしまジン大学・企画統括のキムラミチタ。


※この授業は、2月25日(木)より、オリエンタルホテル広島のデザインギャラリーでスタートする『マルニ木工展』のイベントの一環として開催されるトークイベント型授業です。ひろしまジン大学の学生以外のお客様も参加します。

 

 

<先生>

田畑孝司 / マツダ株式会社デザイン本部 チーフデザイナー

福岡県出身。 大学卒業後、家電メーカーのデザインを経て、1987年にマツダ入社。 デザイナーとして、ユーノス500&コスモ・2代目デミオ等のエクステリアを担当。 直近では、プレマシーやヒット車種となったアクセラをチーフデザイナーとして開発。

 

 

 

 

 

鎌倉節子 / 株式会社スピングルカンパニー 副本部長 兼)企画・営業チーフマネージャー

卓球がやりたい!という理由で、卓球部がある「株式会社ニチマン」に入社。 1997年、グループ会社であるスピングルカンパニー設立と同時に兼務となり人気商品を生み出す。休日は家庭菜園。

 

 

 

 

土井康義 / 株式会社マルニ木工 企画部 部長

様々な業務改革に従事し、近年は「nextmaruni」「MARUNI COLLECTION」等、 外部デザイナーとの企画を積極的に推進。ブランド戦略や商品企画、 セールスプロモーションの構築に携わり現在に至る。

 

 

 

キムラミチタ / フリーパーソナリティ

1974年廿日市市生まれ。ラジオDJ、クラブDJ、ライター、イベントオーガナイザーなど様々な顔を持つ広島カルチャーシーンの兄貴。洋邦ジャンルを一切問わず音楽を追求する姿勢はストイック。自身の音楽ユニット”忍”では、大型野外音楽フェスティバルに出演するなどプレイヤーとしても活動中。アーティスト仲間も全国各地に増殖している。映画やアート、マンガ、料理などの造詣も深い。ひろしまジン大学・副代表理事。

 

 

<教室>

オリエンタルホテル広島

住所:広島県広島市中区田中町6-10

 

オリエンタルホテル広島
今回の教室は3階の「チャペル」

 

 

 

カテゴリ:【デザイン】
言 語 : 日本語のみ
定 員 :43人

参加対象:どなたでも

 

 

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