ひろしま哲学カフェ×ジン大「まち」

「まち」と呼吸と哲学のカフェ

「吸って、吐いて、吸って、吐いて。」  普段何気なく過ごす日常の中でついつい忘れがちになってしまっている呼吸。その呼吸をちょっとだけでも意識すると、少しゆったりとした心持ちになれます。すると不思議と目の前の人が、景色が、その「まち」並みが鮮やかに浮かび上がってきませんか?

 今回の授業は、ひろしま哲学カフェさんとのコラボレーションで、ゆっくりと呼吸をして「まち」についてじっくりと話す、そんな贅沢な時間です。ゆるやかに、時に鋭く交わされた言葉のやり取りを見ていきましょう。  ひろしま哲学カフェの会場でもあるハチドリ舎が教室、ドリンク片手に総勢11人がテーブルを囲みます。コーディネーターからの話の後、今回の先生であり、ひろしま哲学カフェを主催する草間さゆりさんのお話で授業スタート!  まずは哲学カフェの概要を伺いました。大学の外に哲学を持って行くために始まったものであり、参加しているみなさんが楽しむことが重要であり、何かの合意形成をする場ではないし、話しの途中でつまってもいいし、わからなくなってもいい。考えが始めと終わりで変わってもいいし、むしろそういったことを楽しむ場だそうです。  いよいよ実際に哲学カフェの体験、先生が進行役を務めるのですが、はじめに呼吸のワークを行います。お腹、胸、頭と順に意識してゆっくりと呼吸をすることで、思考もゆっくりとなり人の話を注意深く聞けるようになるという先生自身のヨガや瞑想での体験を元に、ひろしま哲学カフェでは呼吸を最初に行うのです。  次いで、今日呼ばれたい架空の名前を、先生特製の三つ折りの名札に書いて、簡単な発声練習を行います。いつもの自分、肩書きや職業などから離れるために、子供の頃の憧れたアイドルやアニメのヒーロー、海外の方など普段呼ばれていない名前が良いそうです。そして行ってみたい「まち」とその理由を簡単に答える自己紹介、オリンピックがあるから平昌、寒いから指宿の温泉など様々でした。名札の名前と反対側には参加者に見えるように哲学カフェを楽しむヒントが載っています。 1)人の話をよく聞いて、ぜひ質問や反対を 2)偉い人の言葉は使わない、自分の言葉で 3)自分の意見が変わることを楽しむ さらには、なんと、喋らない権利もあるのです。  さあウォーミングアップが終わったところで本編です。発言は、挙手で進行役に指名されてから行います。まずは問いの募集、「まち」について疑問、普段感じていることなどを話し、問いを立てるところから始まります。 「『まち』とは言わずに地域という」「反対に地域と言わずに『まち』という」「土地と『まち』とどう違う?」「街と町と『まち』の表記の使い分けは?」 いくつかの経験談や疑問から問いのタネが集まってきました。そこで、  「『まち』には『街』と『町』と『まち』があるが、どう違うのだろう?」 という問いが立ったので、以降この問いにもとに対話が進んでいきます。 「『街』は繁華街など人の多さを『まち』は人と人との関係性をイメージする」 「『街』は自分が住むところよりもより近代的かな、あとオシャレ」 「はじめに『まち』と言わずに地域と言うって言ってたけど、それはどのまち? あと人が一人しか住んでいない集落は『まち』それとも地域?」 「地域ってどう使う?」 「〇〇団地って地域だと思う。住んでる人の愛着度合いで変わる」 「『まち』にも愛着が関係ある?」 「うーん、わかんない」  眉間に皺が寄ったり、天井を見つめたり、グラスを傾けたりと考える様子も参加者それぞれ。 「愛着を感じること。人と人との関係性が、『まち』を構成する要素として上がっているけど、他にもあるかな?」 「なじみとか、ぬくもりとか?」 「『まち』には自分の視点が必ず入っている。時間と空間が。『街』には離れたところで中に自分がいなくてもいい」  言いたいこと聞きたいこと疑問は尽きることがなくあっという間の二時間が経過し哲学カフェの部は一旦終了に。休憩を挟み哲学カフェのルーツや先生が広島で始めた理由を伺い、最後に感想をシェアして終了。 「これだけ『まち』について考えてみて人の話を聞いたり話し合ったが、さらに『まち』がわからなくなった」 結論を出さない、もやもやを持ち帰るのも哲学カフェの面白いところ。とはいうものの、考えれば考えるほどますます疑問は深まるばかり。ここらで落ち着いて、まずは深呼吸でも。

■レポート/つじ りゅういち ■写真/政田 穂積

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<授業詳細>

忙しい日常の中で、だれかとゆっくり対話をしたり、

じっくり思考を深めたりする時間をどれくらい持てていますか?

集まった人たちと飲み物を片手に、特定のテーマについて、結論を出すことを目的にせずに話をする「哲学カフェ」。

難しい哲学の知識はいらず、感じることや考えを自由に話す中で自然と対話や思考が深まっていきます。ムリに話さず、聞くだけでもOK。

日本では1999年からスタートし、全国各地で楽しまれています。 ひろしま哲学カフェ×ジン大コラボ編の今回は、「まち」をテーマに開きます。

ひろしまジン大学はいわゆる「まちづくり」をしていますが、そもそも「まち」って? 人が住んでいて建物があれば、行政区があれば、「まち」は存在しているかのように見えます。なのに、例えば「まちづくり」という言葉がどうしてあるのでしょう? 「まち」は存在しているように見えるのに、なぜそれを改めてつくるのでしょう? みなさんがもつ「まち」のイメージってどんなもの?どう違う?  「まち」について考えたい問いを募集するところから始めたいと思います。

哲学カフェを体験した後は、進行役の草間さゆりさんから、哲学カフェの魅力や可能性についてお話を聞きます。

平日の夜、普段とは少しちがう「会話」を楽しんでみませんか?

【授業の流れ】 18:45 受付開始 19:00 授業開始  「哲学カフェ」を体験しよう 21:00 先生によるお話  「哲学カフェ」の魅力、可能性について」   みんなでフリートーク 21:25 記念撮影・レポート記入 21:30 授業終了

【定員】

7名

【参加対象】

どなたでも

【持ち物】 ・実費1000円(ワンドリンク、会場費)

【当日の連絡先】 070-5522-9638(ひろしまジン大学事務局) ※緊急のご連絡の場合のみ、おかけ頂きますようお願いいたします。

(授業コーディネーター 古川智恵美)

<先生> 草間 さゆり / カフェフィロ・パートナー

東京での大学時代から『カフェフィロ』主催の哲学カフェに6年間参加者として通う。 進行役の勉強会などを経て、広島市内にて2017年4月より毎月「ひろしま哲学カフェ~呼吸と哲学のカフェ」を開き、進行役を務める。

<教室>

Social Book Cafeハチドリ舎 (広島市中区土橋2-43-201) ハチドリ舎では、ほぼ毎日(を目指して)平和や社会問題等のイベントが開催され、自分ができることは何か?を考えることができます。被爆者の方から、直接その経験を聞くことのできる、ただ講演を聞くだけではない、しっかりと想いをつむぐような場に。自分が何をしようか迷っている人にとっては、面白い人と出会えるソーシャル駆け込み寺のような場に。広島の人にとっては、県外海外の人とつながり、広島の今をありのままにシェアする場に。海外から訪れる人にとっては、”ヒロシマ”の情報を英語で知ることのでき、原爆の語り部のお話を聞くことができる場に。人と人がつながり 人と世界、人と社会がつながれば、少しずつ世界は良くなっていくと信じています。

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