
体験!うちらのシビックテック
みなさんは、シビックテックという言葉を聞いてどんなことが思い浮かびますか?初めて聞いたという方も多いかもしれませんが、今回は広島でシビックテックを実践する Code for Hiroshima との初のコラボレーション授業です。 土橋のブックカフェハチドリ舎を教室に、Code for Japan の陣内さん、神戸市職員の長井さんを先生にお迎えし、シビックテックについて学びました。 コーディネーターの授業を作った想いを共有し授業スタート! Code for Hiroshima 石崎さんの軽快な進行で進みます。 なんとメインスクリーンの隣にはサブのスクリーンがあり、リアルタイムで参加者からのコメントや質問を受け付け表示するというテックな仕様です。 まずは第一部のトークセッション、陣内さんからは、ご自身がIT企業から行政へと転職して感じた行政のITサービスの使い勝手の悪さと原因を教えていただきました。 次いで、ITテクノロジーに詳しい民間人と行政とのコラボレーションで地域の困ったを解決したシビックテックの実例を語っていただきました。 行政が持つデータの提供を受けて自分たちで解決するパターンと、行政と一緒に行うという2パターンがあり、前者は、富山でのUber協賛による公共交通についてのイベント、鳥取での空き家有効活用を考えるイベント、5374(ゴミナシ)という Code for Kanazawa が作ったゴミ出しが分かりやすくなるアプリなどがあります。 後者には、自治体から依頼を受けて企業から技術者派遣をした事例として、めがねのまち福井県鯖江市のバス運行に関する業務をYahoo!の技術者が改善したり、福島県浪江町の市民向けアプリの制作などがあげられました。 いずれにせよ、自分たちで「楽しむ!作る!オープン(ソース、データ)!」というのが重要なキーワードなのだと力強くおっしゃっていただきました。 続いて、神戸市でスマートシティを推進し事業を考える部署に務める長井さんのお話です。人口減に悩む神戸市が取り組むのはオープンデータ、人材活用、産官学の協働という三本柱から成り立つオープンガバメント。それぞれ、公共データを活用できる Open Data Kobe 、係長以上の市職員への持ち込み課題解決のセミナー、小学生の登下校時の地域を巻き込んだ見守りサービスなどの事例を教えていただきました。 中でも注目なのが、近年の観光客増加に伴い住民が住みにくい街となったバルセロナを、観光客にとっても住民にとってもいい街づくりとなった取り組みを学ぶ、現地でのワークショップです。「市民の持ち物であるデータを市民に返すのがオープンデータだ」と語る現地職員の言葉に強い感銘を受けた神戸市でも、市民と目的を共有し、データを活用した政策立案、予算組みなどを行っているそうです。 熱いトークセッションの後、休憩を挟み、第二部の「ともに考え、ともにつくる」体験が始まりました。まずは参加者自身が課題だと思うことについて、5分間で解決策のアイディア出しを行います。ついでパートナーを見つけて、4分間でお互いのアイディアについて、伸ばした方が良い所のフィードバックをもらいます。それを3セット行い、どんどんアイディアのブラッシュアップを行なったのです。短時間ではありましたが、おすすめ犬の散歩ルート、幸せそうな人がわかる Happy Map 、点字ブロックがなくても歩けるマジック白杖などユニークで役に立ちそうなアイディアが出ました。 普段から具体的な課題に気がついている方にとっては丁度いい実践の場となったようですが、具体的な課題に気がついていない筆者には、脳みそが音をあげそうになるほどの丁度いい脳トレの場となりました。いかに普段から自分ゴトとして地域を見ているかが問われた一夜、打ち上げのビールがとてもとても脳内に染み入るかのように美味しく感じられたのはいうまでもありません。 気になった方、9月19日19:00~同じくハチドリ舎でブラッシュアップミーティングが開催されるとのこと、次はあなたの番ですよ!
■レポート/つじ りゅういち ■写真/政田 穂積
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<授業詳細>
近年、テクノロジーを活用しながら身のまわりの問題を自分たちで解決する、という考え方を意味する「シビックテック」が全国各地で大きなムーブメントとなっています。
この授業では、ワークショップを通じてリアルなシビックテックを実感するところまで学ぶことができます!
今回の授業は2つのセッションで構成されています。
■1. 座学セッション 他県での実例からテクノロジーが問題を解決していくプロセスや、取り組み事例を基礎から学びます。 [座学セッション1] Code for Japan事務局長 陣内 一樹さん 浪江町の職員として活動された実績。当時は浪江町役場復興推進課にて従事 http://www.ashita-lab.jp/special/4544/
[座学セッション2] 神戸市企画調整局創造都市推進部ICT創造担当・事業推進担当係長 長井 伸晃 バルセロナ/神戸市のデータビジュアライズ (http://kobe-barcelona.net/) 078kobe (https://078kobe.jp)
■2. ワークショップセッション 公共のデータを活用して問題を解決するアイデアを抽出するワークショップを通じて実際にシビックテックの体験をします。ワークショップで出たアイデアは、一般参加型のコンテストである「アーバンデータチャレンジ2017」に応募することも可能です。
※シビックテックとは、シビック(Civic、市民)とテック(Tech、テクノロジー)を合わせた造語。