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旧日銀EXsite#6 『記憶がアートで浮かび上がる!~8.6と3.11~』

2012/03/17

 

旧日本銀行の記憶をすりとる


今回の授業には、岡部先生のフロッタージュに魅かれて参加された方、建築関係のお仕事をされていて旧広島日銀の建物に興味を持たれている方、卒業論文が終わって時間ができたから参加された方…それぞれの方がそれぞれの目的で参加されていました。いろんな方の参加目的を知ることができるのも、ジン大授業の面白さの1つだなと感じているうちに授業は始まりました。

フロッタージュという言葉をきくだけでは「何だろう?」と思うのですが、イメージしやすいのは、誰でも子供のころ経験したことがある硬貨を紙の下へ敷き鉛筆などですりとる・うつしだすことで、私自身もあぁ懐かしいな経験しているなと思いました。
 
 岡部先生は、開拓され日本の産業発展に大きくかかわった地元北海道,多くの出兵者がいた宇品港プラットホームなど本当に数多くの場所を多くの方と「すりとる」ことをされ、現在も活動を続けられていると穏やかな語り口で話されていました。

そこにある「モノ」をすりとるということは、そこにどういう人がどういう生活をしていたのか、「記憶」を想像していくことにもなるそうです。

 旧広島日銀の「記憶」を「すりとる」ためのヒントとして、5年間、同旧日本銀行の警備員をされながら、そこを訪れる方に語り継ぐために被爆体験の聴き取りなどをされ、それらを纏めた本も出版されている難波先生のお話も聴くことができました。

 広島で生活していながら、8月6日以降の旧広島日銀の壮絶な毎日は知らないことだらけでした。悲しく重たい話は丁寧に、話の合間には、面白い余談も「にっ」と笑いながら話をして下さいました。ここに書きたいことがほんとうに沢山あるのですが「オフレコで」という内容も多かったので…。どうしても気になる方は、この授業に参加された学生さんに他の授業でこっそり聴いてみられるのも良いかもしれません。

 折り鶴の再生紙を使って、ヒントを手掛かりに、柱を触り床を触りながら場所を決め、フロッタージュを楽しみました。作品を持ち寄り、1人1人なぜその場所を選んだのかと、自分の作品の中からその作品を選んだのかを発表。ホワイトボードに1つ1つ作品が増えていくのと同時に、学生として参加された方1人1人が何を感じ取ろうとされていたのかも知ることができました。

  最後にフロッタージュは、視覚が触覚にもなり、同時に触覚が視覚にもなること、ある対象をうつしとる中で、自分自身をうつしだすことにもなるとも岡部先生は話されていました。

旧日本銀行広島支店という今回の「教室」そのものの、在り方や歴史、そしてそこに刻まれた記憶に触れる、よい時間となりました。

(ひろしまジン大学サポートスタッフ 有田果代)

 

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<授業詳細>

2012年03月17日(土) 13時30分 ~ 17時00分    教室:旧日本銀行広島支店

 

3月11日で1年を迎える東日本大震災。

その記憶を、写真やアート、詩などで伝える
『あなたは3.11を見たか?』展とのコラボレーション授業を行います。

先生にお迎えするのは、作品も出展している現代美術家・岡部昌生さん。

“美術界のオリンピック”と言われる国際美術展覧会『ヴェネツィア・ビエンナーレ』の日本館代表展示作家に選ばれ、第28回広島文化賞も受賞しているという、世界的に活躍する北海道在住のアーティストです。

授業では、震災後に制作された展示作品の解説や東日本大震災への想い等を講義して頂き、後半はワークショップへ。

岡部さんの作品は、“フロッタージュ”という手法を用いていることで有名です。

“フロッタージュ”とは、建物の壁面や路上に紙をあて、その凹凸を鉛筆で擦り取るという技法。
人間が手に触れて感ずる凹凸の中に、たくさんのイマジネーションを獲得するというものです。

今回は、教室でもある『旧日本銀行広島支店』を、学生の皆さんに擦り取って頂きます。

現存する被爆建物の一つであり、広島市指定重要文化財として大きな意味を持つこの建物。
旧日銀に込められた記憶を感じることは、大切な学びに結びつくと思います。

また、旧日本銀行広島支店の歴史を教えて頂くため、
被爆時の状況を語り続けている警備員、難波康博さんに、建物内を案内して頂きます。

未曾有の大災害となった東日本大震災。
あまりにも失うものが多かったからこそ、“記憶”の大切さは高まったと言えるかもしれません。

3月11日で、1年を迎える東日本大震災。
8月6日で、67年を迎える原爆の日。

真っ白いペーパーに記憶が浮かび上がる瞬間。
あなたは何を感じることが出来るでしょうか?


【授業の流れ】
13:00 受付開始
13:30 授業開始
 ・岡部昌生さんによるお話し
 ・フロッタージュ製作ワークショップ
 ・難波康博さんによる旧日銀ガイド
  (※以上の順番は当日の流れにより変更することがあります)
16:40 記念撮影・アンケート記入
17:00 授業終了

【集合場所】
旧日本銀行広島支店 3Fフリースペース
 
【持ち物】
筆記用具をお持ちください。

【入場】
集合場所へは、授業開始時間までに必ず集合して下さい。
なお、10分を超えて遅刻された場合は受付終了となり、授業へ参加することが出来ませんのでご注意下さい。

【交通手段】
お車、自転車でお越しの際は、近隣のパーキングをご利用下さい。
 

 

 <先生>

岡部昌生 / 現代美術家

1942年北海道根室市出身。フロッタージュによる表現を1977年よりはじめる。パリ、イヴリ・シュル・セーヌに滞在(1979)169点の「都市の皮膚」を制作。「都市は巨大な版である」という感慨をえる。1980年代後半より広島の被爆の痕跡を作品化する作業をはじめる。 オーストラリア、ヌーサにおけるフロッタージュ・コラボレーション(1988)以来、市民とのコラボレーション(共同制作)やワークショップを積極的に実施するほか、国内外の各都市で制作・展覧会活動を展開している。(旧日本銀行広島支店でも市民とのワークショップを開催している。) 2007年、ヴェネチアビエンナーレ日本館で広島の被爆建物や痕跡を摺取った作品を展示。2011年にはその作品の一部がMONA美術館(オーストラリア)にコレクションされた。 現在、札幌大谷大学短期大学部教授。

 

<教室>

旧日本銀行広島支店

住所:広島市中区袋町5番21号

■広島電鉄(路面電車):
広島電鉄宇品線・「袋町」駅下車、徒歩1分

■広電バス:
JR広島駅より3号線・広島西飛行場行き、「袋町」バス停下車、徒歩1分
 

1936年(昭和11年)に建てられた日本銀行のかつての営業所。
設計は、建築家・長野宇平治。地上3階地下1階、ギリシャ・ローマ建築風の古典様式で、昭和の空気をそのまま残しています。現在は「建物全体を市民主体の芸術・文化活動発表の場として活用する」という方策のもと、広く市民に貸し出し、様々な用途で使われています。現存する被爆建物の一つであり、広島市指定重要文化財。

2012年10月からの6ヶ月間、HIROSHIMA EXsiteのプラットフォームとして各種イベントが開催されています。

 

 

 

カテゴリ:【芸術】
言 語 : 日本語のみ
定 員 :15人

参加対象:どなたでも。

 

 

 

 

 

 

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