本屋で語る 本屋を語る
もしもあなたの街から本屋が一つ無くなったら、あなたはどんな思いを持つでしょうか。
町の喧騒から少し離れた本川町。そのビルの二階にあるのが、静かなる熱を秘めた本屋、リーダンディート。店主セイマサさんの選りすぐりの書籍やリトルプレス、そして器に囲まれ、授業は始まりました。
まずは、それぞれのお気に入りの一冊を紹介。「ゆっくり、いそげ」「たゆたえども沈まず」「歩きながらはじまること」「二十世紀」など、ビジネス書や小説、詩集といったさまざまなジャンルの本が紹介されました。普段自分では手に取らない本も多く、みなさん興味津々。紹介とともに話される本との出会いや思い出も聞けて、「読んでみたい」という気持ちがより強まりました。
それに印象的だったのが、みなさん本を持ってくる際に袋に包んでいたり、ブックカバーをかけていたこと。その本を大事にしている気持ち、本を好きな気持ちがそんなところからも伝わってきました。
本の紹介の後は、質問タイム。生徒のみなさんへは「普段、どうやって本を選んでいるの?」「たくさんの本をどうやって部屋に置いてる?」といった質問が。 好きな作家さんを一気に読んだり、キャッチコピーや装丁が気に入ったものを選んだり、それぞれ違いがありました。そして、本の置き方については「床が沈まないために…」という本好きならではの悩みやあるある話も。
そして、セイマサさんへは「リーダンディートを始めたきっかけは?」という質問が。きっかけは3.11、そして広島からリブロ(旧パルコブックセンター)が閉店してしまったこと。3.11で自分の生き方を見つめ直し、リブロが閉店したことで「広島は文化的なものに需要が無くなってしまったのか」と憤り、「自分で新しい場所をつくる」「自分がやるしかない」と火がついたそう。そんなセイマサさんの静かなる熱が伝わって、リーダンディートの本たちはよりその輝きを強めているのかもしれません。
まだまだ話し足りない雰囲気の中、授業は終了。終わった後、店の外で話し込んでいる生徒さんも。「またやってください!」という声も多いので、セイマサさん、またぜひよろしくお願い致します!今回はありがとうございました!
☆紹介されたおすすめ本 影山知明「ゆっくり、いそげ」、原田マハ「たゆたえども沈まず」、西尾勝彦「歩きながらはじまること」、橋本治「二十世紀」、恩田陸「ドミノ」、姫野カオルコ「ツ、イ、ラ、ク」、吉本隆明「夏目漱石を読む」、一指李承憲「人生120年の選択」、しゅんしゅん「主の糸」
■レポート/黒木 真由
■写真/平尾 順平
2018年10月31日(水) 開催授業 夜の本屋で、本バナシ ・教室:READAN DEAT(広島市中区本川町)
・先生:清政 光博 / READAN DEAT(リーダンディート)店主
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