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教えて、インドネシア食材店さん!~広島でムスリムとして暮らす~

2019/10/08

ハラルフードって、どんなこと? 

10月になってもまだまだ残暑厳しい平日のお昼時に、広島駅からほど近い広電電停・猿猴橋駅の近くの電車通り沿いのお店に集合。そのお店の名前は「広島ハラルフード」。この通りはよく通っていたはずなのに、こんなところにこんなお店があるなんて!でも、そもそもハラルフードって何だっけ?どんな人が買いに来るのか、どうやって経営が成り立っているのか。わからないことだらけだったので、興味津々でたくさんお話を伺いました。

 

百聞は一見に如かず。まずは、お店で食材を。

 

広島ハラルフードの経営者・新田雅子さんが今回の先生です。2007年インドネシア人との結婚を機に、イスラム教徒に改宗。広島にハラルの食材を扱う店がなかったので、2012年より広島ハラルフードを開店しました。

お客様のほとんどがインドネシアの方で、扱っている商品も現地でよく見かけるものだそうです。まずは、お店にどんな商品があるのか教えてもらうことに。

 

 インスタントのラーメンやナシゴレン(インドネシア風炒飯)など日本でも馴染みがあるものから、クトゥパット(ちまきライス)、バナナの花、ガドガド(ピーナッツソース)などインドネシアに行ったことがない自分には馴染みがない食材も。さとうきびのジュースやココナッツジュース、トンヂというメーカーのお茶がよく飲まれているんだとか。肉に、スパイスに、粉に、調味料に、お菓子など、インドネシアの食卓に欠かせない食材が揃っていて、日本人と比べて「スパイスをよく使う」「辛いのが好き」であるなど聞いていると、暮らしが少し垣間見えたような気がしました。

 

 インドネシアでは、多くの食材にハラルマークが付いていて、安心して買い物ができるようになっているそうです。

 

 インドネシアの食材が買えるせっかくの機会とあって、参加者のみなさんは雅子さんに質問しながら思い思いに買い物をしました。

 

場所を変えて、ゆっくりお話。

宗教のこと、ハラルのこと、日本で生活するということ。

 

 近くの留学生会館の部屋に移動して、改めて雅子さんを囲んでゆっくりお話。まずは、参加者のみなさんがどうしてこの授業に参加しようと思ったのかを話し合いました。

・インドネシアが好きで

・ハラルのことを知りたい

・広島ハラルフードに行ってみたかった

など理由はそれぞれでしたが、バティック(インドネシアの蝋けつ染め)が好きであったり、共通の知人がいることがわかり、ちょっと距離が縮まった感じに。

 

 さらにこの授業に華を添えてくれたのが、インドネシア出身のレニさん。先生の雅子さんはもちろん、コーディネーターの塚野さんもインドネシア語はペラペラなので、通訳してもらいながら、レニさんからも直接いろんなことを伺うことができました。塚野さんがインドネシアの食(料理)について画像や映像を使って説明してくれて、スパイスをつぶす石うすが一家に一つは必ずあるなど、驚きも。そしてインドネシアのお茶を飲みながら、雅子さんへの質問タイムに。

 

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Q:なぜ、ハラルフードのお店をしようと思ったの?

 

A:もともと、自分のビジネスをしたいなと思っていました。最初インドネシア料理のレストランを考えたけど、料理が苦手で。そんななか広島でインドネシア人は食材をどうしているのか聞いてみると、ハラルフードを買いたい場合はみんながインターネットで買っている、それもかなり共同購入していることを知りました。それならば広島でハラルフードを仕入れて、店舗でも共同でも購入できるようになれば、便利になるしビジネスとしても成り立つのでは、と考えて始めました。日本人がもっと来るかなと思っていたけどほとんど来ず、今は技能実習生の利用が多いです。電車などでここに簡単には買いに来られない人たちには、配送もしています。日本に住むインドネシアの人がいつもハラルのマークの付いた食材ばかりを食べているわけではなく、日本にある食材で食べれるものは食べるし、ない場合は使わないこともあります(注釈:基本的には豚とアルコールが入っていなければ、一応すべてハラルフードということになります)。ただ日本の調味料のなかには、実はラードなど豚肉と関係するものが含まれており使えないものもあるので、そのあたりは注意が必要です。

 

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Q:ハラルは、どこまで厳密に守らないといけないの?

 

A:ハラルの考え方は宗教(イスラム教)から来ていて、どこまで何を許容できるか、できないかについては、個人差があるもの。信仰は本来個人と神様との関係の中で決まるものなので、ハラル認証マークがあるが、本来的には一般化できるものではないように感じています。ですので、外食でお店側がこれならムスリムの人でも食べれる、食べれないと判断するよりも、どんな食材や調味料を使っているかの情報は提示して、それをどうするかは個人の判断に委ねるのがいいのではないかと思います。

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 この考え方には、胸のつっかえがとれるような感覚がありました。話を聞くまで、「ハラルのことをちゃんと勉強して、しっかりと問題のないものを出さないといけない」と考えがちだったのが、「ちゃんと理解することは大切だけど、そんなに臆病になる必要はない。何を使っているのかという情報提供をちゃんとすれば、あとはその人の判断に委ねればいい」のだと言われている気がしました。

 

 

 日本ではまだまだハラルマークのある食品を扱うスーパーが少なかったり、外食をするときにどんなお肉や調味料が使われているかわからないことが多い。そのため、ムスリム系の旅行者は食べられるか判断がつかず、結局ホテルでインスタントラーメンを食べるといった困りごともあるようです。

 

 国際理解とか多文化共生とか言いますが、自分で勝手に想像を膨らましてアレコレ気を揉むよりも、現場に行って話を聞いて、食べて、本物に触れるのが、やはり近道だし、独りよがりな理解にならなくてよいなと改めて感じました。

 

雅子さん、レニさん、お話ありがとうございました!

 

■レポート/岡本 泰志

■写真/山口 ようこ

 

2019年10月8日(火)開催
教えて、インドネシア食材店さん!~広島でムスリムとして暮らす~
教室:広島ハラルフード

 

参加者のみなさんからの感想

・インドネシアの食材を主とするお店で日ごろ見かけないものが並んでいる棚を見るのは楽しかったです。ジン大の授業というかたちで、行く機会のなかったお店を訪ねることができました。まさこさん、スタッフの方々、どうもありがとうございました。

 

・ハラルフードの基準ルールは存在するけど、何を食するかはその人次第ということかなと思いました。ムスリムは仏教徒と比べ、制約が多いイメージがあり大変そうだと思っていましたが、「課されている」のではなく、自分が主体的に「課している」と今は理解しています。 インドネシア料理は好きですが、食材を揃えるのが難しそうで作ったことがありません。入手が難しいハーブ類もまさこさんのお店で買えそうなので、挑戦してみたいです。

 

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