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広島の山を楽しく走ろう! ~トレイルランってこんなに面白い~

2010/11/20

 

9人の勇者たち


本日は晴れ。気温19度。平年より3度ほど暖かいラン日和だ。
まずは、無事に授業を開催させてくれたお天道様に感謝、感謝。
ここから、ひろしまジン大学開校第2回目の体育会授業が幕を開く。
果敢にも今回「トレイルラン」という、広島ではあまり馴染みのないスポーツに9人の勇者たちが現る。

まずは、「トレイルラン」について少し説明しよう。
ざっくり言うと、土道(公園・里山・低山等)を自分のペースで走ることで、
イメージとしては陸上競技のクロスカントリーをもう少しステップアップした感じだろうか。
関東、富士山、長野、京都などではすでにトレイルラン専門の大会が開催され、
また『Trail Running magazine』という専門誌も年2回発行されており、競技の認知度が高い。
背景として、近年のマラソンやジョギングブームでランの楽しさや健康志向に目覚めたランナーたちが、
距離を伸ばすこととは別にあらたな刺激を求め、起伏のある土道にチャレンジしてきたことがうかがえる。
また「自然を楽しむ」という新たなマインド(ラン+アルファ)を持つランナーが増加してきたことが言えるであろう。

本日の先生は、西田栄子さん。
西田さんは根っからの広島人だが、現在は東京で活躍中のグラフィック・デザイナー兼トレイルランニング専門誌ライターという、なにやら遠い存在の方と身構えてしまいそうな肩書きの方である。
だが、西田さんのスポーツ歴を聞いて少し安心した。
中学、高校時代は文科系クラブ。大学時代にアイスホッケー部。
社会人になってから職業柄ひどい肩こりを抱えるようになり、自己流治療の一環として、ランニングをするようになったと聞く。 
名門高校などで健脚を競ってきたエリートランナーを想像していたが、実は市民ランナーからトレイルランをはじめた遅咲きのランナーと言える(しかも小学校の50m走は約11秒だそうだ)。本日は、西田さんのトレイルラン仲間である熊本さんも応援で駆けつけてくれた。

さてさて、前置きが長くなったところで本日の授業について話を戻そう。
西田さんから、授業の目的について6点ほど説明があった。
一.楽しく走りましょう。
二.速く走ること、うまく走ることはあまり意識せずにランを楽しみましょう。
三.ハイキングの方がいたら、道を譲りましょう。
四.段差など、危険な所は無理をせずにゆっくりといきましょう。
五.ケガなく無事にゴールしましょう。
六.紅葉のシーズンなので、自然の恵みをたっぷりと味わいましょう。

そのあと、9人の勇者たちの自己紹介が行われた。
バリバリのランナーをはじめ、ジョガーたちが集まったが、みな一様に不安を抱えていた。
それもそうである。普段走りなれた道や一緒に走っている者同士なら互いの走力が想定できるのだが、
初対面同士の場合はそうはいかない。

今回のコースは、
三瀧寺を発着点とするコースで宗箇山(そうこやま、標高356メートル)山頂まで走りきるものだ。
このコースは、9人の勇者たちのうち1人を除いて、みなが初チャレンジであった。
はじめて登る山に加え、他のメンバーの走力もわからないのだから、距離感もわからないしペースについていけるかもわからない、不安だらけの状況であった。
準備体操とストレッチを終え、重たい空気のなかでラン開始。

時刻は、10時50分。
木々に日差しが遮られ、空気が冷たく感じられる。
前方にハイキンググループの方々がおり、しばらくは歩いて登る。
10月に開催した弥山登山の授業のことを思い出す。
スタートから10分ぐらい経過して、日差しが入りからだも温まってきて額には汗が浮かんできた。
それからしばらくして、前方のグループが道を譲ってくれた。

いきなりのラン開始。
予想以上にペースが速い。
息が上がる。
ピッチがさらに上がる。
ラン開始から5分後、はじめの休憩。
大きな岩場からのビュー。
市内が一望できる眺めで、不安を抱えていた勇者たちも互いに声をかけはじめ、
次第にアイスブレイクしてきた。
再びラン開始。
汗が流れ、呼吸が荒くなる。
勇者たちの口から言葉がでなくなってきた。
数人が徐々にペースについていけなくなってきた。
ラン開始から35分、山頂にたどり着いた。

時刻は、11時25分。
勇者たちから安堵の表情が漏れてくる。
晴れやかな姿を写真撮影していると、近くでいい感じにお酒が入っているおばちゃんが「写真とりましょうか?」と声をかけてくれた。
頬は紅潮し、足元もふらついている。
大丈夫か。
レンズをのぞくなり、「どうすりゃあいいん?」と尋ねてきて、おばちゃんの仲間たちが盛り上がっていた。
なんとか写真を撮ってくれたが、しっかりとおばちゃんの指が写っていた(笑)。

11時35分。
和やかな雰囲気のなか、山頂をスタート。
アップダウンが体力を消耗させる。
程なくして、先頭集団は6人の精鋭たちに絞られてきた。
ここで、少々休憩。
ここまでは集団で走っていたが、細長い下り道を心地よく走るためにインターバルをとって
折り返し地点まで単独ランをすることとなった。
10秒ほど間隔をあけてスタートするが、ランナーの本能に火がつき、前を走る勇者に次々と追いついて行く。
折り返し地点で小休止したのちに、ラン再開。
先頭集団が、4人の精鋭たちに絞られてきた。
そのうち1人は女性ランナーだ。
おそれいった。

10分ほど走って、休憩。
西田さんからのことば。
「ゴールまで残りわずか。家に帰るまでが遠足です。ラスト集中しましょう!」
5分ほど走って、再び休憩。
なんと、そこは「竹のミュージアム」だった。
立ち止まってまわりの景色を見ることも、トレイルランの楽しさのひとつである。
すばらしい景色を背景に写真をパチリ。

12時20分。
三瀧寺にゴール。
真っ赤に染まったもみじが、勇者たちを迎えてくれた。
お寺の落ち着いた雰囲気が、ランモードから心を静めてくれる。
ラン後は、西田さんを囲んだ昼食会。
当初の予定では、『むさし三滝店』にて飲食しながらのトレイルランについてのラウンドテーブルであったが、本日は天候が良いので、予定を変更し、むさしでお弁当を買って太田川放水路河川敷にてぽかぽか陽気の下、お弁当を食べることとなった。

昼食前に、西田さんから広島におけるトレイルランの現状について話があった。
本日挑戦した宗箇山をはじめ、アクセスの良いところに山があるのだが、いまひとつ活用できていない。
一例として、広島の8ヶ所の山を紹介したトレイルランマップの説明があった。
3年ほど前から、トレイルランについての取り組みをはじめているとのこと。

勇者の1人からシューズ選びのポイントについて、質問があった。
西田さんからの説明。
・溝が深く、ソールがしっかりした専用のシューズが良いこと
(溝については、滑り止め対策となる。ソールについては、脚の負担が軽減される)
・街中など舗装された道を走ると、溝の消耗が早いのでシューズを履き分けたほうが良いこと
(そう、トレイルラン専用のシューズは結構値がはるのである)

13時30分。
待ちに待った昼食タイム。
やはり、屋外で食べるごはんは格別だ。
走り終わった緊張からの開放感と、遠足を想いおこせる和やかな雰囲気。
弁当も作りたてで、まだあったかい。
1人の勇者が、三滝山を走ったことがある点については前述したとおりだが、自然に対する認識を改めて考えさせられるものだった。

この勇者は、今年の7月台風が過ぎ去った翌日にランに挑んだ。
台風のつめあとで、道がなく思うように前に進めない。
方向感覚もわからない。
遭難という不安に襲われながら、なんとか登山道に辿り着き、胸をなでおろしたとのこと。
昨今の登山ブームと比例するように、遭難事故が相次いで報道されている。
本人のみならず、家族、関係者および捜索隊員などに多大な心理的・肉体的・金銭的負担を強いることとなる。
原因のひとつに、山の気候に対する認識の低さが挙げられる。
暑さ・寒さ・雨天時の対策や、食料・水分の補給など、日常では想定できない事態が発生する。
備えあれば憂いなしである。
今後、トレイルランが広島で普及するには、安全面、特に自然の脅威に対する情報を事前に収集して挑むことが大切であろう。 

勇者たちの感想は次のとおり。
・思っていたより楽だった。  
・また、トレイルランの授業を開催してほしい。
・もう少し、ビギナー向けのコースで授業を開催してほしい。
・童心に帰ることができ、楽しかった。

勇者たち全員が「トレイルラン」のとりこになったことは言うまでもない。
最後に、西田さんから締めのあいさつ。
「ラン仲間と一緒にトレイルランを楽しんでいきましょう」


(レポート後記)
今回のレポート担当をした、老いぼれボクサーです。
初のレポート担当と、初のトレイルランという状況でわたし自身不安を抱えていた。
普段は、アマチュアボクサーとしてハードな練習はしているが、ボクシングは瞬発系のスポーツで、トレイルランは持久系のスポーツである。使う筋肉が違う(ちなみに、瞬発系は赤い筋肉。持久系は白い筋肉)。
本来であれば、ラン開始までに勇者たちをアイスブレイクすべきところだったのだが、余裕がなかった、申し訳ないです。

登りは、ゴールが見えない状況のなか心肺機能がしんどかった。
山頂では、写真を撮ってくれたおばちゃんのインパクトが強すぎて、登りきった達成感が飛んでしまった。
下りは、脚にきた。

心に残った風景が二つある。
「竹のミュージアム」と「三瀧寺のもみじ」。
走りきった爽快感は、ことばでは形容しがたいものがある。
トレイルラン未経験のランナーには、是非ともチャレンジしてほしい。
本日参加してくれた勇者たちには、トレイルランの魅力をラン仲間と一緒に走ることで広めて行ってほしい。
わたしが小学生の頃、地元の山を駆け回っていたことを思い出した。
童心にかえるということは良いことである。
来月はじめに、5歳の娘と地元の山にチャレンジすることとした。


(ボランティアスタッフ 老いぼれボクサー・沖土居一隆)

 

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<授業詳細>

2010年11月20日(土) 10時30分 ~ 15時30分   

教室:三瀧寺近くの宗箇山

 

近年はマラソンやジョギングが爆発的大ブーム。
広島の街を、毎日楽しく走っている方も多いと思います。

そんな“走る魅力”に目覚めたランナー達の
ネクストステップとして注目されているのが『トレイルランニング』。

舗装路以外の山野を走るという、ランニングと登山の要素を持つこのスポーツ。
こう聞くと、ちょっとハードだなと感じますが、
実は、土道[公園・里山・低山等]を自分のペースで走れば、
それが『トレイルランニング』なんです。

先生は、西田栄子さん(広島生まれ、東京在住)。
トレイルランニング専門誌にも寄稿しているクリエイティブ・ディレクター。
「ラン+アルファ」をテーマに、“走る”ことに関する
人、科学、本、映画などをブログ等で紹介しています。

今回目指すのは宗箇山(356m)。
まずはゆっくりペースで登り、山頂の素晴らしい見晴らしを楽しんだ後、下りは、山の背のトレイルを自分のペースで走り、広島の秘境(!?)景勝地の一つともいえる竹林を抜けて、三瀧寺の境内に入ってゴールというコース。
着替えた後には、茶屋にて交流会。西田先生と一緒に、『トレイルラン』を語り合いましょう。

登りはハイキングと同じように歩いて、走られる所では遊び感覚で走ってみればいい。
大事なのは、走らせてもらえる自然に感謝の気持ちを持つこと。

きっとゴールでは、心地よい疲労感と一緒に、
子どもの頃、野山を駆け回っていた自分を思い出すはずです。

この授業で、トレイルランの基本を学びながら、
市内からアクセスのいい場所に多くの山があるという広島の魅力を再確認しませんか?

*交流会の場所は、変更の可能性があります。

 

※本授業は三滝と宗箇山周辺で行います。走り慣れた服装・ランニング(トレイル)シューズ、着替えを持参して下さい。障害保険(リクリエーション保険)加入金として200円を頂きます。

【授業の流れ】
9:45~10:00 スタッフがJR三滝駅でお待ちしております。
      駅から集合場所(三瀧寺の駐車場)へ歩きます。
10:00  受付
10:30 授業開始
      先生紹介・自己紹介・説明
11:00 アップ・ストレッチ
11:15 ラン開始
13:30 ラン終了
      クールダウン・着替え
14:00 むさしへ移動
14:30 飲食しながらラウンドテーブル
15:30 授業終了


【集合場所】
三瀧寺の駐車所
*場所がわかられない方は予めメールにて事務局にご連絡ください。
*9:45~10:00 JR可部線三滝駅、改札口から誘導いたします。

【持ち物】
*保険証のコピー(必ず持参をお願いします)
*走り慣れた服装・ランニング(トレイル)シューズ
*ラン用防寒具や雨具(天気予報が雨になっている場合)
*着替え
*食糧・水(ウエストに着けるタイプのボトルホルダーは便利)
*お茶・むさしでのおむすび代

【注意事項】
着替える場所は公衆トイレになります。
受付の際、緊急連絡先を伺います。

【入場】
集合場所へは、授業開始時間までに必ず集合して下さい。
なお、10分を超えて遅刻された場合は受付終了となり、
授業へ参加することが出来ませんのでご注意下さい。
当日キャンセルの場合、下記の連絡先にご連絡下さい。

【交通手段】
当日、教室への交通手段は、なるべく電車、バスなど公共機関をご利用下さい。
近隣への配慮のため、車・バイク・自転車でのご来場はご遠慮願います。


(授業コーディネーター  ポール・ウォルシュ)


本授業では、生徒さんがお使いになるテーピングを、株式会社アクタ様よりご提供頂いています。
株式会社アクタ

 

<先生>

西田栄子 / cooltiger ltd. 代表 グラフィック・デザイナー/トレイルランニング専門誌ライター

1974年広島生まれ、現在東京在住。cooltiger ltd. 代表 グラフィック・デザイナーでありながら、トレイルランニング専門誌に寄稿。「ラン+アルファ」をテーマに走ることに関する人、科学、本、映画などをブログで紹介。天然酵母パン屋めぐりラン企画「パン・ラン」も全国で開催中。 http://runcooltiger.blogspot.com/

 

 

 

 

 

ポール ウォルシュ / 大学講師

1968年イギリス生まれ。九州で3年間生活した後、1996年に広島へ。2000年妻と一緒にGetHiroshima.comというウェブ上情報誌を立ち上げる。大学講師を生業としつつ、インターネットを利用して本物のコミュニティー作りの活動を始める。2004年、広島の観光と経済を後押しするため、広島を訪れる外国人観光客用の地図(Get Hiroshima Map)の発行を開始。山道を走ること、トライアスロン、クラブDJ、歴史通、インターネット・ソーシャルメディア伝道師を含めて様々な趣味をもつ。http://www.gethiroshima.com http://www.littleforeigner.com

 

今回の教室:三瀧寺近くの宗箇山

住所:住所: 広島市西区三滝山
最寄駅:JR可部線の三滝駅
三滝駅より徒歩:20分
 

 

 

 

カテゴリ:【スポーツ / 自然】
言 語 : 英語対応
定 員 :10人

参加対象:普段ロードを走っていて、トレイルランは興味があるがどう初めていいか分からない人。広島のトレイルを幾つか走ったが、新しいコースが知りたい人。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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